ANDY WARHOL KYOTO 後編

November 28, 2022 Text Junko Chiba
November 24, 2022 Last modified

鬼籍に入って35年後、アンディ・ウォーホルが3度目の来日を果たした。“訪問先”は京都市京セラ美術館。折しも開催中の大回顧展「アンディ・ウォーホル・キョウト」を舞台に、ウォーホルはどんな世界を現出させるのか。作品とともに探訪する。

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「死」に魅入られて

移民の子としてアメリカの地方都市ピッツバーグに生まれてから58年、アートの世界で絶頂を極めたウォーホルにも、やがて終焉に向かう陰りが見えてくる。しかし彼は、そんなことはとっくに承知していたはず。

ポップな日常を切り取ったアートにも、華やかなセレブの肖像画にも、ハッピーを象徴する「フラワー」シリーズにも、作品にはどこか「死」の影が漂っているではないか。それは刹せ つ那な的なものの見方によるものであり、「死」に魅入られて制作に取り組んだことの一つの表れでもあるように思う。

  • flowers flowers
    アンディ・ウォーホル《花》 1970 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York
  • 最後の晩餐 最後の晩餐
    アンディ・ウォーホル《最後の晩餐》 1986年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 麻にアクリル、シルクスクリーン・インク 294.6×990.6×5.1㎝ © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York
  • flowers
  • 最後の晩餐

その思いを強く感じるのが、晩年、レオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」を題材に制作した連作絵画である。ゲイの彼は迫りくるエイズ感染の危険におびえながら死への恐怖を募らせる中で、カトリック信仰に救いを求めたのかもしれない。

存命ならば94歳。ウォーホルが今の時代を生きていたなら、どんな日常に創作意欲を燃やすだろう。ふとそんな思いにとらわれる大回顧展でもあった。必見である。

自画像(髪が逆立ったかつら)
アンディ・ウォーホル《自画像(髪が逆立ったかつら)》 1986 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 ポラロイド写真の複製 ポラカラーER
© The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York
AW in Kyoto

アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO

会期:2023年2月12日(日)まで
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は開館)、12月28日(水)~1月2日(月)
www.andywarholkyoto.jp

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