驚きの薄さ1㎜の メタモルフォーゼ

April 25, 2022 Text Yasushi Matsuami

世界初のアナログ式光発電腕時計を1976年に開発して以来、シチズンは光発電時計のパイオニアとして、独自の光発電駆動技術「エコ・ドライブ」を進化・熟成させてきた。その40周年の節目となる2016年、シチズンが発表した「エコ・ドライブ ワン」は、世界の時計関係者を驚愕させた。その新たな進化形となる「エコ・ドライブ ワン」がベールを脱ぐ。

2016年、シチズンから「エコ・ドライブ ワン」が発表されるや、時計業界に驚きと称賛が巻き起こった。ムーブメントの厚さは、わずか1㎜。この極薄の世界に、85ものパーツが緻密に組み込まれた。ほぼ全ての部品を根本的に見直し、既成概念にとらわれない革新的な構造が開発された。

「エコ・ドライブ ワン AQ5012-14A」
「エコ・ドライブ ワン AQ5012-14A」光発電式クォーツ(エコ・ドライブ)、直径36.6㎜、SSケース×ワニ革ストラップ、日常生活防水。352,000円。デュラテクトプラチナを施したSSケースにブラックダイヤル仕様の「AQ5010-01E」(330,000円)と、シチズン フラッグシップストアとシチズン プレミアムドアーズのみで販売されるブルーダイヤルの限定80本モデル「AQ5010-01L」(352,000円)も用意されている。

この驚くべき世界最薄キャリバー8826(アナログ式光発電ムーブメントとして。2021年11月現在)は、厚さわずか2.98㎜という超薄型ケースに搭載された。先進素材を用いた、シャープでモダンなデザインにも注目が集まった。以降、「エコ・ドライブ ワン」はデザインや素材のバリエーションを広げ、進化を続けている。

2022年1月、そんな「エコ・ドライブ ワン」が、新たな展開を見せる。シチズンは「エコ・ドライブ ワン」の発表当初から、「薄さとは何か?」という問いに向き合い、「薄さとは、美しさであり、軽さであり、快適さである」というメッセージを発してきた。新作となる「エコ・ドライブ ワン」は、この問いへの新たな回答と言っていい。

これまでは、薄さという先進技術がデザインに落とし込まれたが、この新作では、着用者の快適さや満足感をまず意識し、厚さ1㎜のキャリバーというアドバンテージをどう生かすかが模索された。

従来の2針仕様にかわり、初めて6時位置にスモールセコンドを搭載。この実現のために、キャリバー8845は、従来よりも多い89パーツからなるにもかかわらず、厚さ1㎜が堅持されている。

全3タイプの中で、フラッグシップ的存在は「AQ5012 14A」。直径36.6㎜という控えめで上品なサイズ感のケースには、シチズン独自の表面硬化技術デュラテクトピンクが施された。プレステージ感のあるピンクゴールドカラーに加え、高い耐傷性も備えている。

ケース側面には、柔和な曲面が取り入れられ、ケースバックも手首にフィットしやすいようカーブを描く。

文字板には、日本の伝統工芸「土佐典具帖紙」を採用。光発電上のメリットに加え、和紙ならではの落ち着いた雰囲気と個性的なテイストが絶妙に融合されている。土佐和紙の文字板が持つテクスチャーは、デュラテクトピンクのケースとも美しいコントラストを奏でている。

インデックスは繊細なラインやファセット面による複雑な構成を持ち、シャープな輝きを放つ。時分針には、鏡面仕上げと砂地艶消し仕上げの二つの処理を施し、どんな角度からでも時刻を読み取りやすくしている。

ケースの厚さは4.5㎜。従来よりもあえてやや厚みを持たせることで、時計としてのたたずまいや、いかに快適に着用できるかが重視された。スーツスタイルのシャツ袖にスマートに収まり、カジュアルな着こなしにも品格を与える、クラシカルでオーセンティックなテイスト。

そして何よりも、自分の肌と一体になったかのような至福の着け心地。自分の時間を大切に刻む大人のためのタイムピースの誕生を歓迎したい。

●シチズン時計お客様時計相談室 TEL0120-78-4807 

※『Nile’s NILE』2022年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

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